今どきのサロン教育最前線 〜CASE1 sand[サンド]〜
人材が育つ仕組み、技術はマインドの上に!
人の育て方を見れば、サロン成長の秘密がわかるもの。
今は理論的にマインドから人を育てることが有効。
勢いのあるレギュラーサロンとシェアサロンをクローズアップしてみた。
時代は確実に変わっていることを感じるだろう。
CASE1 sand [サンド]
熱量高く、愛をもって教育に取り組み急成長!次のフェーズは、VR技術で効率のよい学びを
日本一のチームサロンを目指す『サンド』。素直で前向き、行動力があり、「みんな、これしようぜ!!」と、スタッフ全員で取り組む団結力がサロンの魅力。
サロンコンセプト:誰もが笑顔に慣れる場所「happy sand」!
企業理念:「“日本一のチームサロン” をsandは目指しています」
店舗数:全8店(すべて直営)東京都=銀座2店舗、表参道2店舗、池袋。神奈川県=横浜。大阪府=梅田。愛知県=名古屋(1月オープン予定)
従業員:全110名
オープン年:2017年(東京・銀座に初出店)
我部友希
がべゆうき。『サンド』マネージャー/教育担当。1993年5月6日生まれ。沖縄県出身。大村美容ファッション専門学校卒業。
もっとうまくなりたい!その熱量が練習量に反映
7年前にスタートし、今や全8店舗に拡大しようとする『サンド』。若さ、パワー、熱量の高さが注目されるサロンの教育とは?
「時代に逆行していますが、営業前後の自主練習を地道に積み重ねてきた結果、技術力の高いスタッフが育ち、今があるだけ。『サンド』が新卒入社を受け入れ始めたのはオープンの翌年。6人の新卒社員を試行錯誤しながら育てあげました。当時、サロンワークに必要だと思うカリキュラムは15項目。
通常より多めなんですが、それでも2年〜2年半でデビューできていたんですよ。余所に比べてなぜ早くデビューできるのか理由を探ると、単純に練習量の違い(笑)。ほかが1日1時間練習をしているのに対し、うちは4時間。でも、それは強制したことではありません。うまくなりたい、早くデビューしたいと技術に向き合うスタッフと、全力で教えようとする上の人間たちの熱量がとてつもなく高かったんです。
その結果、どんどん人が育ち、スタッフが輝ける場所を用意するために店舗が増えていったのです。ただ、組織が大きくなり、熱量は変わらなくとも、練習にかける時間が減ってきていることも感じています。だから、今後は大きく方針転換を。VR技術を導入し、今まで泥臭く人の力で教育していたものをデジタル化することに。シャンプーは施術される側の意見が大切なので人対人のまま。一方、ウィッグカットは自主練習できる部分なのでVRに任せるなど、すべてをVR技術に任せることはできませんが、教える側の負担を少しでも減らしたいと思っています。
それは、ラクをするためじゃない。すべてはスタッフやお客さまのため。教える側の負担軽減や効率的な学びを考えることはスタッフのためだし、技術力の高い美容師の存在はお客さまのため。そこを第一に考えていけば、僕たちの企業理念が揺らぐことはないと信じています」
POINT[教育用VRシステムを準備中]組織拡大に伴い、教育を大胆にデジタル化!
店舗が拡大し、スタッフが増えた今、オープン当時の勢いや熱量を維持し続けることはできない。それをカバーするために導入を進めているのが教育のVRシステム。教える側の負担を軽減し、教わる側の時間を効率化するためだ。しかし、道具を準備してお終いというわけではない。今、1年かけて、仕組みはもちろん、教材づくりを進めており、さらに導入後も試行錯誤は続くことが見込まれる。
VR技術を活用するメリット
1. 教える側の負担軽減
2. 教わる側の時間の使い方が変わる
3. 脳への刷り込みで学びの効率アップ
About Education sandの教育は?
Check1 熱量の高い仲間に囲まれ、自然とやる気がアップ!
一人ひとりのペースに合わせ、ていねいに
『サンド』には、売上げの高い美容師がそうでない美容師を引き上げ、チーム力を高める雰囲気がある。現在、2〜3年でのデビューを目指しているが、アシスタント期に時間をかけて育てると、その後、しっかり伸びる傾向もあるという。正解も不正解もないのが人材教育。スタッフ一人ひとりが技術と向き合い、高みを目指すからこそ熱量の高い環境となるのだ。
営業前も営業後も、アシスタントが自主練を始めると上の人間が自然と側に来て指導してくれる。
幹部もスタッフが学ぶ姿が好きで、いつも終電まで練習に付き合うそう。
STAFF1 中途入社1年目 アシスタント 吉見健伸(よしみけんしん):『サンド横浜』アシスタント。1997年8月16日生まれ。北海道出身。札幌ベルエポック美容専門学校卒業。
COMMENT
「別サロンでデビューしていたのですが、『サンド』スタッフの美容に対する熱量が半端なくて。ここなら自分ももっと成長できるんじゃないかと転職を決意。一から学び直しています」
Check2 挑戦するからこそ失敗も。だが、失敗が人間力を磨く糧になる
スタッフの失敗もチームサロンならカバーできる
できることを任せるのではなく、できないことを任せることで学びは深まる。うまくいかないこともあるが、うまくいかなかった経験が糧となり、人間力が磨かれる。ひとりで戦っているのではないという安心感が次のチャレンジにつながる。それがチームサロン。『サンド』が本気でやりたいことは店舗拡大ではなく、目の前にいるスタッフやお客さまを幸せにすること。
お客さまと向き合うことが最大の学び。ウィッグで学べないことをサロンワークで学ぶことができる。
STAFF2 中途入社3年目 スタイリスト MASAYA(まさや):『サンド池袋』スタイリスト。1996年6月19日生まれ。東京都出身。東京総合美容専門学校卒業。
COMMENT
「サロン見学で3時間みっちり説明してくれた熱量に感動。熱量の高さは本物だと感じて入社。常にポジティブなスタッフに囲まれ、デビューまでの道程も楽しい日々でした」
Check3 個性を生かし、さらに伸ばすようスタッフ応援
“練習の大切さ”を説く、美容学生のインフルエンサーも所属
美容学生時代から、“練習の大切さ”を説いてきた堀 翔太さん。ワインディング全国大会受賞経験のある堀さん率いる“WD+(ワインディングプラス)”は、技術向上を目指すアシスタントが集う団体。そんな抜きんでた人材がスキルアップを目指して入社してくるのも『サンド』の魅力。スタッフの頑張りを応援したり、応援されたり、そんな関係性を大切にしている。
堀さんがWD+を立ち上げたのは入社後のこと。会社も堀さんの活動を応援している。
STAFF3 新卒入社2年目 アシスタント堀 翔太(ほりしょうた):『sand Scene(サンドシーン)』アシスタント。2001年5月4日生まれ。兵庫県出身。高津理容美容専門学校卒業。
COMMENT
「僕にない熱い心と情熱を感じたので、ここならおもしろいことができるんじゃないかと入社。そして、気づいたのが組織ならではの力。チームサロンの力があれば怖いものなしですね」